鷹の湯温泉は秋田県の最南東部、湯沢市に湧く歴史のある温泉です。
周辺には当館を含めて5軒の湯宿が点在し、秋の宮温泉郷と呼ばれています。
東側には栗駒国定公園に属する山岳地帯が広がる自然に囲まれた静かな秘湯です。

開 湯
今からおよそ1300年前、奈良時代の養老年間に行基法師によって発見されたと伝わる古湯です。秋田県内ではもっとも古い温泉ともいわれています。「鷹の湯」の名は開湯時からのもので、一説によると傷ついた鷹がこの湯で傷を治し、元気に羽ばたいていったとか。それほど効能豊かな温泉として、人々に大切に利用されてきた歴史があります。
当館の歴史
初代・小山田秀(おやまだ・ひで)がこの名湯を使って、女性ながら湯治宿を開いたのが明治18(1885)年のこと。
2代目の八兵衛は“町のエジソン”と呼ばれる発明好きで 、竹の反発力を生かした自動ドアや湯冷まし器など、アイデアいっぱいの発明でお客様を楽しませました。一方で、それまで未開の地であった虎毛山(標高1,433m)に登山道を切り開いたのも八兵衛です。
3代目の兵太郎は雪に埋もれる冬季の交通を整え、 農閑期の冬に多くの湯治客でにぎわうようになりました。4代目の光太郎は深さ約130cmの立ち湯をつくり、今では当館の名物風呂となっています。
現在は5代目を中心に家族一丸となって、先代たちから受け継いだ湯を守っています。

日本秘湯を守る会
鷹の湯温泉は「日本秘湯を守る会」の会員宿です。
「日本秘湯を守る会」「日本源泉湯宿を守る会」「日本文化遺産を守る会」共通でご利用いただけるスタンプ帳がございます。当館への直接ご予約、または「日本秘湯を守る会」サイトからご予約のお客様にはスタンプを押印いたしますので、フロントでお声がけください。

源泉温度の低下について
〜鷹の湯温泉再生プロジェクト〜
鷹の湯は当初より泉温80度以上の熱い温泉でしたが、2021年の夏頃、源泉の温度が30度近くにまで低下する原因不明の現象が起こりました。翌年、一度は温度が回復しますが、再び低下。現在は源泉地での泉温が、平均して40度ほどになっています。
当館では創業以来、自然に湧き出た温泉を各湯船に引き湯していたため、ボイラーなどの温める設備がありませんでした。
源泉温度の低下という深刻な危機……。我々の力だけではどうすることもできず、クラウドファンディングという形で皆様に呼びかけさせていただきました。「鷹の湯再生」にご協力くださった皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
おかげさまで設備が整い、以前のように温かい湯を提供することが叶いました。湯船によって加温は行っていますが、温泉自体の質は以前と変わりありません。